和式トイレから洋式トイレへのリフォームについて
投稿日:2020.09.15
トイレのリフォームというと・洋式トイレの便器やウォシュレットを交換するインフィルリフォーム(部位リフォーム)・壁紙や床材など内装も含めてトイレ全体をリフォームする全面リフォーム・和式トイレから洋式トイレへ変更する和式トイレリフォーム
など、いろいろなリフォームがあります。
その中から今回は弊社でも月に2〜3件(年間30〜40件)くらいご依頼のある和式トイレのリフォームを取り上げてみたいと思います。
和式トイレの現状
日本のトイレは1960年代までは和式トイレが主流でした。
1959年に日本住宅公社(現・都市再生機構)が洋式トイレを採用したのがきっかけとなり洋式トイレが普及し始めました。
TOTOによると1976年に和式便器と洋式便器の出荷数がほぼ同数となり、急速に洋式化が進んだそうです。
2015年には和式トイレの出荷数は全体の1%を切るまで減少したそうです。
文部科学省が2016年に実施した調査によると、全国の公立小中学校のトイレの約6割が和式トイレだったそうですが、政府は年々洋式トイレの割合を引き上げる方向で検討を進めているそうです。
これは、公立の小中学校は災害時などに避難所が設営されることも多く、足腰の弱くなった高齢者や介護を必要とする人、妊婦さんなどにとって和式トイレは肉体的負担が大きく使いずらいといった点が考慮されているようです。
また、一般家庭でも洋式トイレが多くなり小学校に入学した新一年生が和式トイレの使い方がわからないといった話もよく聞きますね。
和式トイレのメリットとデメリット
そんな和式トイレですが、わずかですが現在も新しく出荷されるものがあるのも事実です。
なぜ和式トイレは無くならないのでしょうか?
特に一般家庭ではなく、公共施設などで新しく和式トイレが作られることがあるようです。
これは
「家のトイレは洋式トイレだけど、外では不特定多数の人が座る洋式トイレの便座には抵抗があるので、和式トイレを使う。」
という人が少なからずいることによるものだと思われます。
また、和式トイレのしゃがんで用を足すスタイルの方が座って用を足す洋式トイレよりも排便しやすいと言われています。
この二点が和式トイレのメリットとしてよく聞かれます。
では和式トイレのデメリットはどうでしょうか?
最も大きなデメリットは和式トイレのしゃがんで用を足すスタイルです。
これはご高齢の方や介護を必要とする方、妊婦さんなどにとっては足腰への負担が大きくとても大変な作業です。
そのほか、水はねしやすく便器まわりが汚れやすい点や、トイレが詰まった時の修理が大掛かりになってしまう点などがあります。
これらの事から、やはり現在では一般家庭における新築時のトイレは洋式トイレとなっており、和式トイレを長年使われてきたご家庭でも洋式トイレへリフォームされる方が多くなっています。
和式トイレのリフォーム
洋式トイレから洋式トイレへのリフォームと、和式トイレから洋式トイレへのリフォームではどんな違いがあるのでしょうか?
一般的な木造一戸建ての場合でご説明します。
一般的に洋式トイレは床の上に便器が設置されています。
ですので、リフォーム時も古い便器を取り外して新しい便器を設置するといったイメージです。
和式トイレの場合は便器が床に埋め込まれています。
床もフラットなところもあれば中央あたりに階段のように段差があるところもあります。
どちらかというとこの段差のある場合がほとんどだと思います。
和式トイレのリフォームの場合はトイレタンクを外し、この床を解体して埋め込まれている便器を取り外します。
そのあと解体した床をフラットな床にする必要があります。
木造一戸建ての場合は、床下が空洞になっている場合がほとんどですので、この時に床下で給排水の取り合いを行います。
床を支える根太などが腐っている場合にはそれらも新しくし、新しい床を作ります。
また、木造一戸建てで和式トイレの場合、隣に男子トイレが併設されていることが多くあります。
その場合、男子トイレスペースと和式トイレスペース各々が狭く、あいだに間仕切りの扉が付いていますが、洋式トイレにリフォームする際には男子トイレと間仕切りの扉を撤去して一つのスペースにして、広くゆったりとした洋式トイレにすることが多いです。
和式トイレのタンクを撤去した状態
このあと、床を解体します。
和式トイレの便器を撤去し、
床を解体し根太の補強を行っているところ。
新しい床はフローリングやクッションフロア、最近ではトイレ専用床材などお客様のご要望を聞いてご希望のもので作ります。
床と併せて壁の補修も行います。
壁についてもどのように新しくするかはお客様のご要望次第で、全面的にクロス貼りにして仕上げる場合や、腰板あたりまで新しくする場合、予算を抑えるためにもともと段差で隠れていた部分だけ簡易的に補修する場合などがあります。
また、多くの場合和式トイレには電源コンセントがありませんので、ウォシュレットなどを使う際に必要な電源コンセントを新たに設置します。
こうして和式トイレの撤去、床・壁の解体補修、給排水工事、電気工事が完了するとあとは洋式トイレのリフォーム同様に新しい便器を設置します。
以上が和式トイレから洋式トイレへのリフォームの大まかな流れです。
大体の場合、工事期間は1日で朝9:00にスタートして夕方までには完了します。
予算は正直様々です。
現在のトイレの状況や、お客様のご要望(内装や新たに設置する洋式トイレのグレードなど)によって大きく変わります。
目安としては概ね20万円くらいからだと思いまが、実際にリフォームのご依頼をいただいた際には必ず現地にお伺いしてお見積もりをさせていただいております。
このような感じで和式トイレの洋式トイレへのリフォームは行われますが、実際に施工させていただいたお客様は、やはりみなさんとても喜ばれます。
「もっと早く洋式トイレにすればよかった!」
というお声が一番多いように思います。
もしこれをご覧いただいた方で、和式トイレのリフォームをお考えの方がいらっしゃいましたら、お気軽にご相談くださいね。
最後に、和式トイレの洋式トイレへのリフォームの全体的な流れを画像とともに掲載しておきます。
和式トイレ リフォーム前です。
トイレタンクを取り外し、
床を解体し便器を撤去した状態です。
床板や根太が腐食しています。
床解体後に根太補強を行い
フローリングを貼っている途中です。
床・壁補修後に新しい便器と
ウォシュレットを設置し完成です。